合格発表を受けて - 登記まにあ:司法書士試験の研究

合格発表を受けて

今年の試験は色々とおかしい点が多すぎますね。

人づてに聞いた話ですが、ある受験指導校の先生は「今年の試験は不祥事であり、事故である」とまで講義で発言しているようです。(ものすごく有名な先生です)

当ブログも、全くもって同意見です。

当然、問題となっているのは不動産登記法の記述問題です。

あまりにも杓子定規かつ不公正な採点方法

右欄、「任意売却、白紙」が0点であるにもかかわらず、「白紙、任意売却」、「任意売却、任意売却」、「抹消、任意売却」と書いた答案は、「任意売却」につき配点がされているようです。おそらく6.5点満点で一般的な択一突破者であれば5点以上の得点になっているようです。

「任意売却、任意売却」と任意売却を2件申請するというのは、登記申請としてありえず、こんな答案に配点がされるというのは不公正といわざるを得ません。

また、「権利の登記の抹消は除く」とする注意書きに違反して3欄に「抹消」を書いてしまったがために「たまたま」4欄が枠にはまった答案にも配点がされています。

これはあまりにも杓子定規すぎる採点であり、しかも、この点が、後述する基準点との関係により決定的に合否を分けており、多くの受験者にとって不条理すぎる結果を生んでいます。

恣意的な基準点の設定

今年は記述式の基準は、950位まで(記述突破者992人)でした。

ちなみに昨年度の記述基準点突破者は、1244人でした。択一突破者の約半数のところに記述式の基準点が設定されるというのが、暗黙の了解事項であり、択一の基準点突破者と記述式の基準点突破者の中で、総合得点の勝負となり、上から合格者が決まるというのが、司法書士試験の試験制度でありました。

その結果、例年、いわゆる「総合落ち」する者が250名程度出るのですが、今年は62名のみ。つまり、択一基準点突破者で記述の基準点を越えた者は、ほぼ合格していることになります。これは、択一の高得点者のアドバンテージがほぼないに等しい状態となっていることを意味します。

本来であれば、16.5〜17点あたりを基準点とするのが妥当であったはずなのです。その上で、総合得点での勝負とすべきでした。

基準点の"低さ"が話題となりましたが、基準点はむしろ恣意的に"高く"設定されているのです。

では、どうして、こんな所に基準点を設定したのか。

考えられる理由は、
1、記述の基準点を少しでも引き上げたかった
2、不動産登記の記述0点の合格者を極力出したくなかった
両方の理由があるのでしょうが、2の理由によるところが大であると思われます。

あまりに恣意的であり、不適切な出題を棚に上げたご都合主義であると言わざるを得ません。

問題の不備、不可解な採点方法により「差」を生み出し、恣意的な基準点の設定により不公正に合格者が決定されるような試験であれば、一生懸命に努力を重ね、真剣に試験に臨んでいる受験者があまりにも報われないです。


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2008-10-08 | Comment(4) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
素晴らしい分析と意見です!
私も全面的に同意します。
受験指導校の立場としては色々な柵があり、試験自体の批判はし難いところがあるので、こういった真実をブログで言って頂ける方がいるというのは本当に力強いです。
これからも期待しています。
Posted by 一予備校講師 at 2008.10.13 10:27
めちゃくちゃ司法書士試験に精通している方をお見受けしました。
素晴らしい分析です。
Posted by ゆうり at 2008.10.14 13:57
私は今年、総合216で落ちたのですが、そりゃ恣意的に合格基準を変えられたら落ちますよ。
商業登記記述は18点でした。
絶対に受かったと思っていたので、もうどうしたらいいのか分かりません。
予備校は、ケロッとして綺麗ごとしか言ってくれないし、親や周りも今年の試験のやりきれない事態については全然理解してくれません。
もうこんな変てこな試験はやめようかとも思いましたが、やはり受かって見返したいです。
Jさんだけが頼りです(笑)
どのように気持ちを持っていけばよいでしょうか?
Posted by KK at 2008.10.23 16:05
すごい説得力です。

完全に正しい意見だと思います。

今年の受験生は気の毒ですね。

Jさんは受験予備校関係者ですか?
Posted by 書士夫 at 2008.10.29 15:22
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